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【ファーマコビジランスのお仕事】個別症例:受付~報告までの流れ

turned off macbook pro near a cup of coffee ファーマコビジランス
Photo by Александар Цветановић on Pexels.com

ファーマコビジランス(以下、PV)の大まかな仕事内容については以前の記事でもご紹介いたしました。
今回はすこし掘り下げて「個別症例」を入手してから報告するまでの流れについてご紹介します。
これからPVへの転職を考えている方からすると、実際にどのような流れで仕事が進んでいるのか気になるところですよね。
仕事の流れについてご紹介している記事はなかなかないので必見です!

その前にご注意いただきたい点があります。

  • 今回ご紹介する流れは、かなり大まかであること
  • 企業によっては進め方がことなること

上記2点を念頭に置いて読んでいただければと思います。

【ファーマコビジランスのお仕事】そもそも個別症例とは?

医薬品によって起こる有害事象を報告するには大まかに2パターンあります。

  • 個別症例報告
    医療従事者からの報告、文献中の報告、その他調査・試験等で報告された症例を1例ずつ評価し、必要に応じて当局(PMDA)に報告すること
  • 定期報告
    報告された症例を一定期間データベース内で蓄積し、まとめて報告すること

本当に大まかですが、このように分類されます。
1つ1つの症例をタイムリーに報告し、その医薬品のリスクを認識していくことも大切ですが、症例を集めてみると1例ずつでは見えてこなかったリスクの傾向がつかめます。
そのため、2パターンでの報告方法があるのです。

定期報告の内容をもとに添付文書の改訂が行われることが多いです!

未経験でPV業務を行う場合は、まず個別症例を担当することが多いように思います。
なので、今回は個別症例について情報入手(受付)から報告までの流れをご紹介します。

【ファーマコビジランスのお仕事】情報入手、受付

情報入手については以前こちらの記事でもご紹介した通りで、医療従事者や文献、治験やその他試験・調査、場合によってはSNS等から安全性情報を入手します。

入手した症例には1つずつ「症例番号」と呼ばれるデータベース上での番号を振っていきます。
この番号を振っていくことを「受付」といいます。
受付では単純に入手した症例に番号を振っていくだけではありません。
「番号を振る基準」が企業ごとに手順書で定められているので、手順書に則り必要な症例にのみ番号を振っていきます。

「番号を振る基準」をしっかり理解していないと、番号を振らなければいけない症例に番号を振ってなかった…なんて事態も発生してしまいます。
番号の振り漏れは報告遅延に繋がってしまうので重要な業務なのです!

【ファーマコビジランスのお仕事】入力・評価

入手した症例に番号を振ったら、次はデータベース内に必要な情報を入力していきます。
入手した情報を手元に、手順書に従ってデータベース内に打ち込みます。
また、企業によっては入力がほぼ自動でできることも多いです。
ですが「コーディング」と呼ばれる報告された事象を医学的な辞書に収載されている言葉に置き換えていく作業が正しくできているか、人の目で確認していることが多いような印象です。
また、英語で入手した経過を日本語に翻訳したり、逆に日本語を英語に翻訳したりすることもあります。

コーディングが正しくできていないと、定期報告のときに正しくアセスメントできなくなってしまうので、重要な作業なのです!

入力が終わるとその内容について「評価」を行います。
評価は大まかに次の視点から行われます。

  • 重篤性
    命にかかわるものだったのか、入院が必要だったのか、などどれくらい重篤だったのかについて
  • 新規性
    すでに添付文書に記載のある事象なのか、添付文書にない事象なのか?
  • 因果関係
    その医薬品と事象の関連性について、医師(報告者)・企業はそれぞれどう考えているのか?

場合によっては医学的な判断がないと評価できないこともあります。
そのような時には医師免許をもつ「メディカルドクター」と呼ばれる方に相談することもあります。
そして、この評価の結果を基に当局への報告が必要かどうか判断します。

ちなみに…入力・評価は委託していることが多い

全部自社で賄っている企業もあると思いますが、多くの企業では入力・評価(評価案)の部分をCROに委託していることが多いです。
とくに「入力」についてはルールさえ理解していれば誰でもできる業務なので、未経験で入社すると最初に割り振られやすい業務でもあるのです。

【ファーマコビジランスのお仕事】報告

評価の結果、報告が必要な症例は定められた期日に間に合うように規制当局に報告します。
多くのデータベースではそのまま報告書の作成ができるので、入力や評価内容が正しいことを最終確認したのち、報告書を作成します。
また、多くのデータベースではPMDAだけでなく、他の海外の規制当局に提出する報告書も一括で作成ができます。
この報告の業務は入手した症例の運命を決めるような業務になるので、受付から評価までの内容をしっかり理解している必要があります。
そのため、報告はある程度経験を積んだ社員が担当することもあります。

【ファーマコビジランスのお仕事】まとめ

今回は安全性情報を入手してから規制当局に報告するまでの流れを大まかにご紹介しました。
残念ながら、実際にはここまですっきりとした工程ではなく、間にいくつもの複雑な業務があります。
ですが、今回は少しでもファーマコビジランスの流れがわかるように、あえて省略させていただきました。
少しでもファーマコビジランスの仕事内容をイメージするお手伝いができていたら幸いです!

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