未経験で転職する際、できるだけ長くキャリアを築くためにも、その職種の将来性について気になりますよね。
昨今の製薬業界ではMRの早期退職者募集などがあり、絶対に安定しているとは言い切れない状況です。
では、ファーマコビジランスはどうなのか、今回はファーマコビジランスの将来性についてご紹介します。
ファーマコビジランスの将来性
結論から申し上げると、ファーマコビジランスという職種は世の中に医薬品がある限り、なくなることはありません。
ファーマコビジランスは、医薬品の安全性を確保し、患者の健康を守るために欠かせない分野です。
医薬品の使用が増加し、規制が強化される中で、ファーマコビジランスの重要性はますます高まっています。
ファーマコビジランス活動は薬が生まれる前(治験段階)から薬が市場からなくなるまでの長期に渡って行われます。
ファーマコビジランス活動がある限り、ファーマコビジランス職はなくならないということです!
では次からはファーマコビジランスの将来性について様々な角度から考察していきます。
1.増加する医薬品の需要
世界中で高齢化が進む中、医薬品の使用が増加しています。
高齢化に伴い、慢性疾患や多疾患管理が必要となるため、複数の薬剤を使用する患者が増加します。
これにより、有害事象(AE)の発生リスクが高まり、ファーマコビジランスの役割が重要となります。適切な監視とリスク管理が求められ、医薬品の安全性を確保するための取り組みが重要になります。
ファーマコビジランスはただ有害事象を集めるだけでなく、
「なぜ有害事象が起きたのか?」
「本当に医薬品が原因だったのか」
などを評価して分析し、各国の規制当局に報告するお仕事です。
詳しくはこちらの記事でご紹介しております!
2.規制の強化
各国の規制当局は、医薬品の安全性に対する基準を厳しくしています。
新薬の承認プロセスにおいても、市販後の監視が不可欠となっています。
これにより、製薬企業はファーマコビジランス活動を強化し、迅速かつ正確なデータ報告を行う必要があります。
また、規制当局との連携を強化し、国際的な規制基準に準拠することが求められます。
薬は日本だけではなく、世界中で使用されています。
そのため、日本の規制だけでなく、各国の規制に合うような活動が求められるのです。
3.テクノロジーの進化
ファーマコビジランスの分野でもAIなどテクノロジーの進化に大きく影響を受けています。
今後、人工知能(AI)や機械学習の進化により、膨大なデータの分析が可能になっていきます。
これにより、有害事象の早期発見やリスク予測が精度高く行えるようになるでしょう。
さまざまなテクノロジーを活用して、未知のリスクを特定し、迅速な対応を図ることも可能に。
これにより、医薬品の安全性がさらに向上します。
ファーマコビジランスの場合は「AIに仕事を奪われる」というよりは
「AIを活用して今までできなかったことを可能に」という傾向があると個人的には思います。
4.グローバルな協力体制
国際的なデータ共有と協力体制が強化されており、グローバルな視点でのリスク管理が進んでいます。
世界保健機関(WHO)や国際医薬品規制調和会議(ICH)などの組織が、国際的なファーマコビジランス活動を支援しています。
これにより、各国の規制当局や製薬企業が協力してリスクを管理し、より迅速かつ効果的な対応が可能になります。
グローバル化が進んでいるからこそ、やはり英語力は身につけておきたいですね。
ファーマコビジランスで生き残るためのスキルは?
ファーマコビジランスの将来性は薬がある限り安泰です。
だからといって、何もしなくても生き残れるわけではありません。
やはり、重要になってくるのは「英語力」と「ITスキル」の2点だと思います。
また、ファーマコビジランス部以外の部署とのやり取りも頻繫に発生するため、
「コミュニケーション能力」も欠かせないでしょう。
まとめ
今回はファーマコビジランスの将来性についてご紹介しました。
ファーマコビジランスは、医薬品の安全性を確保するために不可欠な分野であり、その重要性は今後ますます高まるでしょう。
増加する医薬品の使用、規制の強化、テクノロジーの進化、国際的な協力体制など、多くの要因がファーマコビジランスの将来性を支えていくでしょう。
コメント